医療法人 庄医院 【内科・小児科・消化器科】

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コラム

アフターコロナに見る夢は

 医療法人庄医院 院長 渡邉亜希子
 令和5年6月30日 岡山県医師会報第1600号記念特集号より

 「新型コロナの感染法上の位置付けについて、厚生労働省の審議会の意見を踏まえ、特段の事情が生じない限り、5月8日から新型インフルエンザ等感染症から外し、5類感染症とする方針を確認致しました」
 2023年の初頭、岸田首相から、文字にすると約90字余りのこの文言が発表されました。その時の私は、1週間前に我が家に迎え入れたばかりの生後2か月の子猫のために、丁度、キャットタワーを組み立てている最中でした。まるで日々の日経平均株価を伝えるような無機質なコロナの感染者数の報道に辟易し、もっぱらニュース番組を熱心に見なくなっていたこともあり、いささか唐突にも感じましたが、一番に最初に頭に浮かんだのは「ああ、やっと…」でした。
 3年前の冬、まだコロナが遠い話だった頃、我が家では、オリンピックの閉会式と陸上の決勝のあわせて5席の当選チケットをめぐって、誰がどれに行こうかと両親を含めて呑気に家族会議をしていました。何とかおさえたホテルはビジネスホテルといえども超高級ホテル並みの値段で、それさえもオリンピックへの胸の高鳴りを増す小道具のようでもあり、大いに浮き立っていたことを覚えています。
 しかしながら、その後、そんな日本中を包んでいたオリンピックムードを一瞬にして消し去ってしまうほどのコロナの大旋風が吹き荒れたことは今さら言うまでもありません。
 私はというと、あふれる気持ちを伝えたいという思いから、この数年で医師会報に計3回もコロナに関するエッセイをせっせと投稿していました。自分でも信じられないことでしたが、そんな信じがたいことをさせてしまう空気感が確かにコロナ禍には漂っていました。「私の診療所のコロナ対策」「私の診療所のコロナワクチン対策」「私のコロナ禍の過ごし方」という、自称コロナ3部作は、小さい診療所を舞台に繰り広げられた、平凡な町医者が悪戦苦闘する日々を綴ったもので、とても、ひと様の目に耐え得るようなものではありませんでしたが、投稿するたびに、良きにつけ悪しきにつけ、さまざまなご意見をいただけたことが励みになり、もし、叶うのなら最後はこんなタイトルで投稿しようと決めていました。 「アフターコロナに見る夢は」は、そんないつかコロナ禍が終わりを告げた時に書いてみたいと思っていた夢と希望がつまったタイトルでした。

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