医療法人 庄医院 【内科・小児科・消化器科】

オンライン
診療予約
電話
よくある
お問い合わせ
コラム

400字の独り言vol.1

*2023年から2025年にかけて県内の医療系新聞に掲載された4つのコラムより転載

①「荒れちゃん」

アレクセイとはロシア語で守り人という意味です。我が家の愛猫ロシアンブルーのアレクセイことアレちゃんは今日も家中を跳ね回り、走高跳の記録を塗り替えながら成長しています。初めて家に来た日の、小さい体を震わせていたあの頃が嘘のように、すでにガキ大将の風格です。先日もいつものように大暴れしていたアレちゃんに見かねたマンチカン似の高校生の娘が、四つ足歩行に変身し「ニャー、シャー!」とアレちゃんを追いかけ回し、しつけを始めました。突然現れた化け猫?いや猫娘の迫力にすっかり怖気づいたアレちゃんは、以後、娘を「マンチ姉さん、こわっ‼」と怯えています。いずれにせよ、しつけは大事、今日もIHヒーターに乗った瞬間、マンチ姉さんの登場です。連日模試で忙しい高2の猫娘の殺気は想像以上です。いつか私たちの守り人となってくれる日を夢見ながら、今日もせっせと「荒れ狂う」アレちゃんの子守りで癒される今日この頃です。

*マンチカン…短い脚を特徴とする猫種

②「オンライン診療、始めました」

この夏、思うところあってオンライン診療を始めました。コロナ前の私なら全く考えもしなかったと思いますが、電話診療から移行する形で、「オンラインで対応可能」な疾患に限り、まずは1日数人程度を想定して事務のスタッフとともに自院にあったシステムを構築しました。当初は予約0といった状況でしたが、コロナの再流行とともに、オンライン診療のニーズが徐々に高まっていきました。最初の患者様は小さいお子様が次々とコロナに感染し、具合の悪いお子様を連れて自身の外来受診が困難になったお母様でした。オンラインでつなぐことで、自宅にいながら診療と投薬、また療養中のご家族の病状把握が目で見てできたことに大きなメリットを感じました。待ち時間の短縮や感染リスク回避といった謳い文句以外にもシステムの操作性を含めて課題はこれからだと思いますが、まずは、はじめの一歩という気持ちで取り組んでみたいと思います。

③「なんでもDX」

「明日の講義の内容はネットにログインして前もってダウンロードしておいて下さい。最後はパワーポイントでスライド発表するのでそのつもりで」この春、医学部の門をくぐった最初の授業でこういわれた私の娘の頭が早速フリーズしたことは想像に難くありません。ノートと鉛筆でこなしてきた受験勉強というアナログ世界の住人だった娘は今、人生で何度目かの苦難に直面しています。医療DXの波は、当たり前のように大学生にも及んでいました。嘆いてばかりはいられないので、早速私は、フリーズした娘を遠隔操作し、某有名パソコン教室に入会させ、高スペックPCに加え、最新タブレットも購入し、毎週末、娘の下宿で初期設定に明け暮れています。もはや分厚い医学書なんかありません。○○.jpに新規登録してログインしたら、後はダウンロードあるのみです。親子共々デジタルへとトランスフォーマーするその日まで、今日もログインIDとパスワードに格闘中です。

④「鹿児島の誓い」

お正月にコロナ禍で長らく延期になっていた念願の鹿児島旅行に行きました。コロナが5類になったはいえ、年末は様々な感染症が流行し、朝から晩まで検査に追われ、チキンもケーキもないまま、診療の合間につまんだチョコレートで血糖値を上げながらなんとなくクリスマスが終わってしまいました。なので、どうか、元気に旅立てますようにと願っていましたが、そんな私の願いがサンタさんに届いたのか、インフルにもコロナにもマイコプラズマにもかかることなく、親子3人、無事出発出来ました。仙厳園でジャンボ餅を食べながら桜島の噴煙をゆっくり眺めていると思わず「幸せだね」と言葉がでました。何気ない日常こそが本当に大事であると改めて思い知らされました。病気や天災は避けがたいことですが、当たり前の日常を守るべく、初詣では無病息災を祈り、節分では邪気を追い払い、あとは医師として、できることを粛々と行っていきたいと誓う今日この頃です。

あとがき:400字で文章をまとめるのことは意外に難しく、毎回テーマを決めてから書き始めるものの、あっという間に400字を超えてボリュームたっぷりの文章になってしまいます。ですが、そこから無駄なものをそぎ落としていく作業をやってみると思いのほか気持ちよく、400字にぴったりとまとまった時はなかなか爽快です。医療と関係がないにもかかわらず、ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

関連記事

  1. 400字の独り言vol.1

  2. アレちゃんの帰る場所

  3. 走り出した私

PAGE TOP